お気軽にお問合せください

  • 052-444-6383受付時間:7:00~20:00 
    ※葬儀など緊急を要することは24時間対応
  • 各種お問合せ
  • 電話
  • 各種お問合わせ

お盆を
迎えるにあたって

  • トップ
  • お盆を迎えるにあたって

お盆を迎えるにあたって

大治町 龍源寺

  • obon1
  • obon2

【お盆とは】

もともと仏教語の「盂蘭盆会(うらぼんえ)」を略したものが「お盆」です。

語源は、古代インドのサンスクリット語の「ウランバナ」と言われます。

先祖の霊が家に帰ってくるとされ、各家庭では、ご先祖を迎える準備をします。この辺りでは、旧暦にあたる八月十三日の夕方にご先祖が浄土からお越しになりお迎えする「迎え盆」十五日の夕方に戻られる「送り盆」があります。地域によっては、十六日の早朝に戻られます。その間 お世話することになります。

日本では、古来 旧暦の七月十五日に執り行われていたお盆は、明治時代になって暦(こよみ)を国際化に合わせたため、一ヶ月早いお盆になりましたが、農村部では、そのお盆では農繁期に差し掛かるため、今までどおり旧暦でお盆が執り行われております。東京をはじめとする関東や静岡などは新盆、その他の地域は旧盆で行われております。世間一般お盆休みと言われるものは旧盆でございます。

他の宗派もお盆は行われますが、浄土真宗では、「人は亡くなるとまもなく仏になり極楽浄土へ往生する」という教えで霊魂が存在しないため霊をお迎えする習慣がありません。地域によっては盆経や初盆を行う習わしのある地域もあります。

  • obon2
  • obon1

【お盆の準備について】

お盆の月に入りましたらお仏壇を掃除しましょう。

ご尊家のお仏壇は、ご本尊とご先祖をお祀りする大切な場所です。

香炉の灰もふるいにかけ、古い線香の残りなど丹念に取り除きましょう。

仏壇とは別に精霊棚を祀る場合は、お位牌を精霊棚に移します。初盆を迎える方にも精霊棚の祀り方の例を後ほど紹介します。

それぞれの家庭の事情もありますので、必ずこうしなければならないということはありません。

また、お盆が近づきましたらお墓の清掃を行います。ご家族皆さんでお墓に出かけ草取り、墓石洗浄など丁寧にお勤めしましょう。

【迎え火】

時期は、八月十三日の黄昏時(午後七時~九時)が一般的です。

(夕刻時には菩提寺とお墓にお参りし、お花やろうそく、線香を供え、ご先祖様をご案内する気持ちで提灯に灯を灯し家路につきます。)

迎え火は、玄関先などで麻幹(おがら)を焚きます。

団地やマンションのお住まいの方は、迎え火が焚けない場合は、入り口に提灯を掲げる焙烙(ほうろく)や素焼きの鉢などを用意してその中に精霊の灯火を作り迎える気持ちを表してみてはいかがでしょうか。

  • obon2
  • obon1

【送り火】

心を込めてお迎えし、お盆期間中十分おもてなしをした先祖霊がお戻りになる日(十五日)です。

迎え火と同様に送り火を午後五時~七時までの間に玄関先などで麻幹(おがら)を焚きます。団地やマンションの方も迎え火と同様な形で送って下さい。

夕刻には精霊棚のお飾りやお供え物を真菰などに包み精霊送りします。(水気のあるものは汁物が漏れないように包装して下さい。)川や海へ流すことは環境汚染につながりますので志納金を添えて地域の寺院または龍源寺の精霊送り供養にご持参下さい。

送り火の日は、お墓詣りし、ご先祖との来年の再会とさらに家族一同力を合わせてご先祖の恩に報いるため、いっそう精進することを誓う日でもあります。

【初盆】

初盆は、故人が亡くなられてから四十九日後初めて迎えるお盆を指します。

地域によっては新盆(しんぼん・にいぼん)と呼ばれるところもあります。故人が亡くなってから初めて里帰りということになります。

初盆は通常のお盆よりも手厚く盛大に行うということです。家庭の親族や故人の親しかった方を招き僧侶に盆経をお願いします。初盆では、白提灯を1セット用意して頂きますが、亡くなってから間がなく清浄や無垢を表すため華美な色彩を避けるということになります。

この提灯は送り火で燃やすか精霊送り供養で寺で処分供養をお願いします。仏花は、白い花をお供えします。

  • obon2

【精霊棚】

「仏壇を中心とする場合」

① お仏壇
ご先祖様のお位牌を全て並べ、それぞれに仏飯、茶湯器にお茶または水を入れてお供えします。

② 盆棚
テーブルに白布を敷き、その中央に蓮の葉か小イモの葉を置きます。無ければお盆でもかまいません。中心にスイカを置き、サツマ芋、ナス、キュウリ、トマト、ピーマン、ナシ、リンゴ等を盛り、上に盆花のホオズキを飾ります。(萩・ユリ・桔梗なども良い)

③ キュウリの馬
ご先祖の精霊をお迎えする車である「キュウリの馬」は、迎え火の時は内向きに、送り火の時は外向きにお供えします。

④ ナスの牛
帰りの車である「ナスの牛」は、亡き人の霊がゆっくり振り返りえながらお帰りになるよう外向きにお供えしますがキュウリの馬同様でも構いません。

⑤ 水の子
ナス及びキュウリを賽の目切りと洗米を混ぜたもの。蓮の葉又はお皿をご使用ください。水の子は餓鬼の強欲であったため死後苦しむ霊をもつ意味がある。

⑥ 閼伽水(あかみず)
大きめの器に水を入れ、ミソハギの花、シキミの枝を酒水用に入れます。禊(みそぎ)という漢字は、悪魔を追い払う意味を持つためである。

⑦ 無縁仏様用のお供え
子孫がなく、帰るところがなくなった仏様用に、野菜・果物・水・仏飯などをお盆に盛り、どなたでもお召し上がりください、とお供えします。(桃は天界の食べ物であり餓鬼や亡者が寄り付かなくなるためお供えしません)

⑧ 盆提灯
盆提灯を仏壇の両脇若しくは片脇に置き、ご先祖が自宅に戻って来られるように家紋入りや絵柄入りの提灯を飾ることが一般的です。なお、初盆は白提灯のみを特別に飾ることが多いです。

「精霊棚を単独で設ける場合」

① 仏壇から全ての位牌を出し、棚の奥に向かって右から古い順に位牌を立てます。

② この絵では、お供えが少ないが、仏壇を中心とする棚にある②から⑧をお供え下さい。

炙り火 お飾り 真こも
炙り火 お飾り 真こも

「初盆棚の場合」

初盆の仏様を別に祀る例です。初盆のお位牌、お膳、オガラで作ったはしご七段、十三段です。

炙り火 お飾り 真こも
炙り火 お飾り 真こも

【お盆の献立の一例】(普通・初盆)
各お供えは、お膳、おぼん、ご家庭にある茶碗、小皿等各種器をご使用ください。

八月十三日

お迎え団子に箸をつけ、お水と共にお膳またはおぼんに載せお供えします。
位牌をうちわなどで扇いで「よくおいでくださいました」とご挨拶します。

(夕食)午後六時頃
豆ご飯、ナスの味噌和え、お茶、お水「開枕(かいちん)」就寝のことです。時間は午後九時頃です。お供え物は下げ「おやすみなさい」とご挨拶します。

炙り火 お飾り 真こも
炙り火 お飾り 真こも

八月十四日

(朝食)午前六時頃
ご飯、味噌汁(あげ豆腐)、かりもり(青瓜)の塩ふり、お茶、お水

(午前中)十時頃
果物

(昼食)正午頃
あんころもち(おはぎ)、お茶、お水

(午後)三時頃
さつもいも、すいか、瓜

(夕食)午後六時頃
ご飯、里芋のころ煮、千石豆の味噌和え、冬瓜と椎茸のくず煮、お茶、お水

(開枕)時間は午後十時頃

炙り火 お飾り 真こも
炙り火 お飾り 真こも

八月十五日

(朝食)早朝
ご飯、七色汁(蓮根、牛蒡、かいわれ菜、椎茸、馬鈴薯、油揚げ)、お茶、お水

(午前)午前十時頃
湯付きうどん、スイカ、その他果物

(おとき)午後二時頃
ご飯、南瓜の煮つけ、キュウリの酢もみ、ささぎの胡麻よごし、お茶、お水

(夕食)午後六時頃
ご飯、うま煮、(高野豆腐、牛蒡のきんぴら)、すまし汁(やき麩、ゆば)、大根菜のおひたし、かりもりの早漬、お茶、お水

炙り火 お飾り 真こも
炙り火 お飾り 真こも
  • 秋季彼岸会の様子
  • 秋季彼岸会の様子

【お盆には,霊供膳(れいぐぜん)を使用する場合】

なお、霊供膳の用意がないご尊家は、新たな小茶碗、小皿など使用してその代わりとして下さい。

(霊供膳にお供えする料理の内容)

精進料理の食べる目的は殺生や煩悩を避けることです。そのため、肉や魚などの動物性の食材を使わず、野菜や穀物などの植物性の食材のみ使います。なお、野菜の中でにんにく、ねぎ、らっきょう、にらなど五辛と呼ばれる香りや刺激の強いものは使ってはいけません。

霊供膳の料理は、基本的に山盛りに盛り付けるのが良いとされ、仏様が飢えを表す「餓鬼道」に落ちてしまわないようにしっかり食べて頂くという仏教の教え方に由来します。

  • 秋季彼岸会の様子
  • 秋季彼岸会の様子

基本的な構成は、一汁三菜にご飯を加えた5品です。 

「親碗」主食となる白飯を山盛りによそいます。上の部分が丸くなるように整えて盛り付けます。

「汁椀」お味噌汁やお吸い物をよそいます。具としては、豆腐,麩、わかめ、油揚げ、季節の野菜などを入れます。
ダシは、シイタケや昆布などの植物性の食材からとります。カツオやの煮干しなどの動物性の食品からとってはいけません。

「平椀」野菜の煮物を3種類ほど彩を意識して盛り付けます。人参、高野、こんにゃく、芋類、油揚げ、豆腐などの食材を使います。

具体的なメニューの一例は、・がんもどきの煮物・さやいんげんの煮物・むすび昆布の煮物

「壺椀」煮豆や和え物を小さな山を作るように、高さが出るよう盛り付けます。

具体的なメニューの一例は、・小松菜のナムル・わかめときゅうりの酢の物・ひじき・ほうれん草の胡麻和え

「高坏」お漬物を二切れ盛り付けます。三切れは「身を切る」ことを意味するためマナー違反です。

具体的なメニューの一例は、・たくあん・きゅうりの塩もみ・人参の糠漬け・梅干し

注 漆器は、熱にあまり強くないため、高温の料理をすぐに器に盛り付けないように配慮して下さい。

以上の料理などが考えられますが、その他の物でも工夫してお供え下さい。伝統を重視すると抵抗感がありますが、現代のライフスタイルに合った今どきの霊供膳、例えば調理の手間を省くためにフリーサイズにした霊供膳の材料や電子レンジで温めるだけで出来上がるものもお供えしても良いのではないかと存じます。

お供えするものは、ご先祖に対して、おもてなしの心をもってお供えして頂くことが一番大事なことですので、その心を込めたお供え物であれば、量や質や種類はどのようであっても構いませんが、次のものの使用はお控え下さい。

➀ だしには、動物性のもの(肉類や動物性の油、にぼし、かつおのだしなど)※植物性の油はok。

② 肉や魚及び臭うもの(にんにく、ねぎ、たまねぎなど)は材料として使用してはいけません。※しょうがはOK

【その他のお供え物】

(盆花) 日持ちするお花を仏壇やお墓にお供えします。

初 盆 白い花を飾り色を混ぜないのが一般的です。

普通盆 お供えの花は、奇数で飾るのが基本となります。

三本は、花の色は白、黄、紫の基本となる三色
五本は、白、黄、紫、赤、ピンクの基本となる五色
七本は、右記の色に加え黒色の花を除いてお好みの花をご用意下さい。
参考 花の丈は、花瓶の2倍から2・5倍の長さにするとバランス良好

次の花は、避けて下さい。

➀ とげのある花 バラ、アザミ

② 毒のある花 彼岸花

③ 黒い花 くろゆり 見た目が黒い花

④ 香りが強い花 カサブランカ

⑤ 花が頭からおちる花 椿

  • 秋季彼岸会の様子
  • 秋季彼岸会の様子

【ほおずき】

ほおずきを飾る理由は、

➀ 提灯の形に似ているため

② お盆の間ご先祖様がほおずきの中に入って過ごすと言われているから

③ お供え物に華やかさを出すため

ほおずきを飾る方法は、

➀ 盆花に加える

② おぼんまたは皿に載せ、それを精霊棚または仏壇に置く

③ 仏壇に吊るす形でほおずきを飾る

(季節の果物や野菜、好物のお菓子)
亡くなられた方が、あの世からこちらへ帰ってくる際に、長旅に疲れて空腹であるはずです。そのために旬の果物や 野菜をかごは器に盛りお供え下さい。

(素麺)
お皿にそのままの束でお供えしましょう。
ご先祖があの世から帰ってくる時に乗ってくる馬の手綱見立てて「素麺」―乾麺をお供えします。また、故人が供物をあの世から持ち帰る際の荷物をくくるための紐とされる。

  • obon2

【棚経】

棚経は、お盆期間中に盆棚・精霊棚やお仏壇の前で僧侶がご親族を後ろに控え、読経するもので、ご先祖への感謝の気持ちを伝え、御仏への祈りをささげるものです。毎年行われるのが一般的です。

お初盆では手厚く読経することが普通です。

お坊さんがお盆期間中棚経のため檀家廻りしている風景をよく見かけます。お盆期間中に檀家廻りが不可能なお寺さんは、お盆前から棚経を行っておられます。

また、ご尊家によっては都合により、棚経の会場を菩提寺にされる場合があります。

服装は堅苦しくなく落ち着いた装いを基本に平服で構わないと存じます。派手な装いや過度な露出は控えましょう。

棚経の由来は、今から四百年前の江戸時代に遡りますが、幕府の方針でキリスト教の信仰はご法度とされていましたが、隠れキリシタンの存在がありましたので、棚経はこの隠れキリシタンを摘発するために始まったと言われています。

現代では宗教の事由が保障されていますので裏の意味はなく、親族が集まって先祖に祈りをささげる機会になっています。